腸内環境と東洋医学(教育講演 山口貴也先生)

生活習慣の改善をメインに病気の治療や症状改善に当たっている医師の山口貴也先生は、完全予約制の自由診療の山口醫院の院長をされています。

山口先生からは「腸内環境と東洋医学」と出して講演をして頂きます。

「鍼灸治療は腸内細菌を変化させる事が近年の研究で明るみに出されている。
クローン病患者に対して行われた研究では炎症を抑える物質を産生する細菌の増加と短鎖脂肪酸産生菌を増やした。また腸粘膜のバリア機能の向上をもたらした。慢性の機能性便秘の患者でも同様の効果が見出されている。また人ではなく主にマウスで行われた研究では肥満、糖尿病といった代謝性疾患、パーキンソン病やアルツハイマー病の様な脳変性疾患、心血管疾患や脳血管疾患といった血管疾患でも腸内細菌の変化が認められている。」

「一般に腸内環境を良くするにはプロバイオティクスやプレバイオティクス、シンバイオティクスの様な腸内へ直接入れる物が使われる。
 東洋医学をはじめとした伝統医学で使われる薬草が腸内細菌に作用をする事は想像に難くない。しかし鍼灸の様な腸と直接関わりの無い介入方法で腸内環境が変化をする事は不可思議な事と捉えられるかもしれない。
 様々なメカニズムが考えられているが、鍼灸治療のもたらす副交感神経の刺激や精神的な安定作用、蠕動運動の変化は直接的な作用をもたらす、また腸粘膜での抗炎症作用や腸粘膜のバリア機能の向上も腸内細菌に影響を与える。この様な機序を通して鍼灸が腸内細菌に影響を与えていると考えられている。」

と語る山口先生は、生活指導と鍼灸治療を併用することで、相乗効果が得られるのではないかと考えをお話して下さります。

東洋医学、そして伝統鍼灸という立場では、大変興味深い内容となっておりますので、ご興味のある方はぜひご参加下さい。

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